彼は独身で別れたい女性がいるとのこと
何故別れたいかって?
そりゃ他に好きな人が出来たから・・と思うでしょ
でも違うんだなこれが・・
それはね
好きなんだけど
ただ単にお金が続かないんだって!
何じゃそりゃ!?
何よそれって感じで話は続く・・
お前が会わなければいい話だろ
お金を使わなければいい話だろ・・などと
でも彼いわく
逢いたくなるから
ついつい見栄も張りたくなるし
そしたらお金が掛るのよ・・
はぁ~
何言っての?
あ~分った彼女がアタックして来るんだろ?
それに乗っちゃうお前がいる・・
でもそれなら忙しいとか言って断れよ
金なんか使う必要ないじゃない!?
携帯番号でも変えたらどうよ?
う、うんだけど・・と歯切れが悪い彼・・
う~じれったい
何なんだ この相談・・
よくよく聞いてみると
彼女は風俗嬢で多額の借金がある娘で
返済のために今もその仕事を続けてる・・
彼と彼女はそのお店で知り合ったのだそうだ
なんだ
その娘の借金を一緒に返してるんだ・・
えっ
違うって?
なになに・・
彼女に逢う為に店に通ってるだって・・
おいおい
彼女と店の外で逢ったことあるの?
えっ1度しか無いの!?
ゴメンけど ほんとに彼女か!?
なになに・・
一応付き合ってることになってるし
いつか結婚したいとも伝えてるって・・
う~ん
俺はねお前が知ってのとおり職業の偏見は無い
だからお前が好きな人と結婚すればいいと思う
だけどこの話しおかしくないか?
実は俺もそう思う・・と彼
だから別れたいというか
忘れたいんだ好きだけど・・ってな話
そういえばこいつは学生の時から真面目なヤツで
恋愛も一途の片思いがパターンだった・・
いわゆる免疫が無いタイプ・・である
でも俺たち40過ぎたし・・と我が目と耳を疑う俺・・
でも現に彼は俺の前で真剣に悩んでいる・・
分った分った
そう落ち込むなよ・・と俺
要は彼女に結婚する気があるかどうか
確認できればお前も腹を決めれるんだよな・・
うん・・と頷く彼
じゃあ何でもいいから一度外で彼女と会おう
勿論俺も同席するから・・
そうだな
従兄弟という設定にしよう
そして結婚したい相手だと俺に紹介しろよ
最初は俺はいないけど
お前達がお茶でもしてるところに偶然出くわす形で
同席すれば不自然ではないだろう?
よし決まり
直ぐに彼女に電話しろ・・となったのです
そして翌日
彼と彼女がお茶してるところに登場しました
お~久しぶり
元気? 叔父さんや叔母さんも?
そうか今度家に行くよ・・
ってな感じで再会を演出し
あら彼女?
可愛いじゃない 羨ましいな・・と続ける俺
(ほんとに可愛かったので少々ビックリ)
そして厚かましくも空いてる椅子に腰を下ろす
そして彼女に
ほんとに○○ちゃんの彼女?などと質問・・
ちょっとためらいながら彼女は
まあ一応みたく頷いた
彼は打ち合わせ通り
俺を同い年の従兄弟として紹介した
そして世間話を3人で少しした後で俺は切り出した・・
そういえば・・
妹の△△は元気なの?
その後どうしてるよ?
うんまあ・・と返事を濁す彼
相手からお金取ったのか?
うん・・
ほぉ~幾ら?
いや・・と濁す彼を見て俺は言った
いいだろ別に彼女だし
隠すこと無いだろう・・と俺は言いながら彼女に説明した
実はね、俺、興信所を営んでるのよ
ここの妹が以前付き合ってたヤツがいい加減で
叔父さんと叔母さんがさんがそれを知って怒ってね
俺に頼んできて、その男を調べたんだ
そしたらその男他に彼女がいてさ
叔父さん達の怒りは限界を通り越して
もう大変だったのよ
そいつの実家にまで押しかけてさ・・
(勿論、作り話です^^;)
いい人だけど嘘は絶対に許さない人達だからね・・
ってな具合の話をして
何か困ったことがあれば何時でも連絡しろよ・・と
彼らに告げて、俺は席を立ったのです
俺の去った後
彼は彼女にこれまた予定通りに話を切り出した・・
今日呼出したのは
俺たちの結婚についてなんだけど
今の仕事を辞めて
俺と結婚してくれ・・とプロポーズしたのでした
そして両親に会ってくれとも・・
そしたら彼女
少し考えさせて・・となったのです
それから
3日、1週間、2週間が過ぎ
彼から俺に連絡が入った・・
あまりにも彼女から連絡が無く
心配になって携帯に掛けたらいつも電源OFF状態
意を決して店に電話を入れてみたら
あの日の翌日に彼女は店を辞めてた・・と気落ちした彼の声
しかも、その携帯はお店が貸し与えた営業用だったのだ・・
彼の心の中で
俺らには計り知れない物が
崩れ落ちたのが、受話器を通じ伝わってきた・・
結果、彼の願いであった
彼女との別れは成立した・・
と同時に彼女の嘘が
浮き彫りになったのです
だって、逃げるように消えたんだから
きっと自分も調べられると思ったんでしょうね
そしたら逃げられなくなるとも・・
でもあの時のプロポーズが本気だと知っていたから
何とも後味が悪い別れさせでした・・
こんな別れさせもあるのです・・
梟 拝
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